JT、株主優待廃止を発表
JT(日本たばこ産業)が株主優待制度の廃止を発表しました。
発表されたのは2月14日で2021年12月期の決算発表と同時でした。
当初から予定されていたのでしょう。
最後の優待品は2022年12月末時点の株主に送られますが、JTの場合、優待品を受け取るためには1年以上の継続保有が必要になるため、これから株を購入しても受け取れないことになります。
優待廃止の理由として会社は、
株主の皆様への公平な利益還元のあり方という観点から慎重に検討を重ねました結果、配当等による利益還元に集約することとし、株主優待制度を廃止することといたしました。
としており、今後は利益還元は配当に集約されると思われます。
JTの株主優待の内容とは
これまで実施されてきた株主優待は、100株以上200株未満の株主(私もここに入ります)に2,500円相当の自社商品の送付というものでした。
具体的にはパックご飯や冷凍うどんなど、グループ内の食品会社の製品です。
決して特別なものではなく、普通にスーパーでも購入できるもので、まあ食べるものだからもらっておいてもよいかという程度のものです。
いっそのこと、未発売のタバコを送るくらいの尖った内容のほうが話題になると思うのですが、さすがにそれは無理だったのでしょう。
それほど魅力的な優待ではなかったので、廃止されてもそれを理由に株を手放す人が大量に発生することはないのではと思います。
優待の廃止は増配につながるか
今回の優待の廃止は決算の発表時に行われ、同時に当初の見込みからの増配も発表されました。
増配は100株あたり年間で2,000円相当です。
これが優待廃止に相当する分なのかとも想像されますが、実際は違うと思います。
JTは昨年の決算時に、今後の配当は配当性向75%を目安に行うと発表しており、今回の増配もそれに沿ったものだからです。
したがって、今後優待が廃止された分が増配に回ることはなく、あくまで利益に応じた配当が実施されると思われます。
JT株の抱えるロシアリスク
JTは高配当銘柄の代表格で、配当を目的に所有している人も多いはずですが(私もその一人です)、株価はどうしても右肩下がりから脱出できません。
配当が頭打ちになったことも一因でしょうが、ここにきて新たなリスクが表面化しました。
ロシアリスクです。
JTはウクライナに1つ、ロシアに5つに生産工場を保有していて、すでにウクライナの工場は操業停止に追い込まれています。
ロシア国内の工場もどうなるかわかりません。
JTはロシアではシェア3割でトップシェア、ロシア周辺国からの利益は全体の2割ほどになると言われ、この点でも暗雲が立ち込めています。
最悪ロシアからの撤退もあり得るとすると、利益面では相当なダメージになることもありえます。
株価、配当はしばらく期待できない状況になるかもしれません。
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