2025年、年金法改正
2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が可決成立しました。
改正の趣旨は、
社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化を図る観点から、働き方や男女の差等に中立的で、ライフスタイルや家族構成等の多様化を踏まえた年金制度を構築するとともに、所得再分配機能の強化や私的年金制度の拡充等により高齢期における生活の安定を図るため、被用者保険の適用拡大、在職老齢年金制度の見直し、遺族年金の見直し、標準報酬月額の上限の段階的引上げ、iDeCoの加入可能年齢の引上げ、将来の基礎年金の給付水準の底上げ(衆議院による修正に伴い追加)等の措置を講じます。
となっていて、概ね妥当な方向性だと思います。
基礎年金の給付拡充に厚生年金の積立金が使われることについては批判が大きくて持ち越しになりました。
制度改正の概要
改正内容の主要な点は以下のとおりです。
- 社会保険加入対象の拡大
- 在職老齢年金の見直し
- 遺族年金の見直し
- 保険料の上限の見直し
- iDeCoの加入上限年齢の引き上げ、拠出上限額の引き上げ
このうち2の遺族年金の見直しと3の保険料上限の見直しは私は関係ありません。
私も妻も60歳を超えているので、いずれにせよ遺族年金は無期給付です。
また、私の今の給与だと、現状でも保険料の上限に達していなので引き上げは関係ありません。
さすがに現状以上の給与で契約を更新することはないので、今後も影響ないでしょう。
年金法改正の個人的影響
自分に直接影響のある内容を確認します。
社会保険加入対象の拡大
私の妻は週20時間のパートで働いています。
宮城県は賃金が安いので、月88,000円以下の収入です。
これまでは社会保険に加入する必要がありませんでしたが、今後は加入対象になります。
月に88,000円程度の収入で、厚生年金が8,000円強、健康保険が5,000円強、合計で13,000円を超える負担が発生します。
若い人ならともかく、60歳を過ぎたパートが社会保険に加入するメリットは皆無です。
妻は週19時間労働、時給を20時間労働時と同じレベルまでアップして契約すると言っていますが、はたしてそのような脱法的な契約が可能なのでしょうか。
これを機に仕事を辞めるというのが一番良い選択になりそうです。
在職老齢年金の見直し
老齢厚生年金が減額される基準が、月50万円から62万円に増額されます。
私は今のところ65歳以前で仕事は辞め、65歳から年金をもらう予定です。
問題は仮に会社から非常に有利な条件で65歳以降の就労を打診された場合です。
現在受け取っている給与水準だと年金と合計で50万円を超えます。
これでは年金が減額されてしまうので給与水準を下げざるを得ませんでしたが、これが62万円に引き上げになるのは大きなメリットです。
少なくとも年金の減額を恐れて有利な条件を断る必要はなくなります。
仕事内容と報酬、休日のみを考慮して検討できます。
iDeCoの加入上限年齢の引き上げ、拠出上限額の引き上げ
iDeCoが70歳まで加入できるようになり、拠出額も引き上げられます。
ただし、実施は3年以内となっていて、現時点では詳細は未定です。
65歳から年金をもらう予定の私には間に合わない可能性が大きいです。
また、仮に間に合った場合、実際に拠出額を増やしたほうが良いのかは十分に検討する必要があります。
将来の基礎年金水準の底上げ
今回の改正で持ち越しになったのが基礎年金水準の底上げです。
厚生年金の財源を基礎年金に回し、基礎年金の水準を今より高くするというものです。
基礎年金のみの受給では生活保護受給者が増えてしまうことを恐れてのようです。
ただ小手先の手を打つより素直に生活保護で対応したほうが良いと思います。
私は63歳なので、この方針により生涯の年金受給額が減ると明言された世代になります、
まあ、何があっても自分の生活は自分で守るだけです。
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