2024年度の年金支給額決定
2024年1月19日、2024年度の国民年金支給額の改定が厚生労働省より発表になりました。
ニュースの扱いが意外に小さくて驚きます。
昨年は資料を読んでもチンプンカンプンでしたが、今年は結構わかります。
やはり勉強は大事です。
2023年度年金額改定、資料を見たけれど理解できない
2023年度の年金額決定 2023年度の年金額が決定しています。 そう遠くない時期にもらい始めるのに、それがいつどうやって決定されるのか、よく知りませんでした。 今回、資料を読んでみましたが、相変わらず決定の計算式はよくわかりません。 一方...
2024年年金支給額改定の概要
- 2024年度の国民年金支給額は、月額68,000円
- 67歳以下と68歳以降で差はなく、同額になる
- 標準的な厚生年金支給額も同等の幅で増額
- 2024年度のマクロ経済スライド調整率は▲0.4%
- 国民年金保険料は、2024年度が16,980円、2025年度が17,510円
2024年度の年金額決定プロセス
- 算定物価変動率3.2%、賃金上昇率3.1%
- 公的年金被保険者総数の変動率▲0.1%、平均余命の伸び率▲0.3%
賃金上昇率が物価上昇率を下回ったため、67歳以下と68歳以上で年金額に差が付きません。
賃金上昇率の3.1%からマクロ経済スライド調整率▲0.4%を引いた2.7%が年金額の増加率になります。
すなわち、物価が3.2%上昇している状況下で年金の引き上げは2.7%に留まるということです。
今後の見通し
来年度以降も物価が継続的に上昇していくと仮定すると、年金額の増額率は物価の上昇率に対して毎年0.5%程度劣後してくことになります。
逆に言えば、その程度は物価の上昇に合わせて支給額も上昇するということであり、そこまでの心配はいらないのかも知れません。
ただ、2024年は公的年金の財政検証が行われる年です。
5年前想定に比べて、出生率の低下や賃金の伸びの低下、公的年金被保険者総数の減少など、年金財政にとって厳しい状況になっているのは明らかです。
- マクロ経済スライドの適用期間の延長
- 厚生年金の適用拡大
- 国民年金加入期間延長
- 給付開始年齢の繰り下げ
などの議論が出るのは間違いありません。
どさくさ紛れに、変な負担が増えるようにならないように見守る必要があります。
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