日銀の政策変更による金利上昇
日本銀行は2022年12月19日〜20日に開いた金融政策決定会合において金融政策を修正しました。(日銀自体は政策変更ではないことを強調していますが)
これにより、その後長期金利が上昇、ついに10年物の国債金利が日銀が上限とした0.5%に到達しました。
これ以上の金利上昇は阻止されるでしょうが、若干上下することはあっても0.5%の上限に張り付いたまま推移することと思われます。
長期金利がマイナス圏を脱し、明らかに上昇傾向になったのが2022年2月頃、一年経たずに政策変更を余儀なくされたことになります。
金利の上昇圧力が強まることは誰にでも予想されたこととはいえ、このスピードは予想以上ではないでしょうか。
2023年2月発行の個人向け国債の利率が0.33%に
長期金利が0.5%になったことにより、財務省は2月15日に発行される個人向け国債変動10年の金利を0.33%にすると発表しました。
1月10日から発売されます。
この金利水準は2025年8月以来の高さということですが、直近の1月発売分の金利が0.17%であることと比べても急上昇と言って良いと思います。
多くの銀行の定期預金の金利が0.02%程度、キャンペーンと称しても0.2%程度であることを考えると十分に魅力的な金利水準になったといえるでしょう。
変動金利であるので、以前に発行された分の金利も上がることになります。
個人向け国債変動10年のメリットが生きてきます。
さらなる金利上昇はあるのか
日銀の政策スタンスは、
2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。
というものですが、このところ発表される物価上昇率はずっと2%を上回っています。
それどころか上昇率は拡大しつつあり、2022年11月は3.7%になり、1981年以来の伸び率になりました。
その後も値上げは続いていて、物価上昇が落ち着くとは思えません。
そもそも今の物価上昇率が3%台というのは実感からいうとかなり低いのではないでしょうか。
入数が減ったり、内容量が減ったりしているのがきちんと反映されているのか、疑問ですらあります。
しかし、日銀は今の物価上昇が一時的でかつ賃金上昇が伴っていないとして安定的な物価上昇であることを認めていません。
賃金上昇が伴わなくても物価上昇に変わりはないはずなのですが。
政策変更からわずか10日ほどで金利が上限に達したことからも明らかなように、日銀がいくら頑張っても上昇圧力を抑えることはできないと思います。
とすれば、個人向け国債の魅力は今後もう少し高まっていくことが予想されます。
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