大学授業料の負担
振り返ってみると、子供が大学生だった頃の家計が一番大変だった気がします。
我が家は上の子供と下の子供が4歳離れているので、大学の授業料を払っていた期間が8年間続いたことになります。
それでもふたりとも国立大学に現役で進学してくれたので、親にしてみれば有り難い限りです。
もちろん昔に比べたらだいぶ値上がりしたとはいえ、まだまだ私立大学に比べれば安いので。
国立大学の授業料
現在、国立大学の授業料は1年間で53万5800円 です。
国立大学の授業料は文部科学省令で決められており、2005年から値上げしていません。
ただし、この授業料はあくまで標準額で、実際の授業料は各大学が20%増しを上限に各自決めて良いことになっています。
しかし、独自に授業料を設定できるようになった以降も各大学は値上げせず、全国一律の状態が長く続きました。
値上げの先陣を切ったのが東京工業大学です。
2019年4月入学から授業料の値上げを実施しました。
値上げ後の授業料は、ほぼ上限いっぱいの63万5400円です。
続いたのが東京藝術大学です。
同じく2019年4月入学から値上げ。
こちらは上限いっぱいの64万2960円です。
さらに千葉大学、東京医科歯科大学、一橋大学が2020年4月入学から64万2960円に値上げしました。
千葉大学を除けばいずれも首都圏にある学生数が少ない大学であり、どうしても事務コスト、運営コストが高くなりがちな大学です。
値上げの流れが一旦止まる
このまま値上げが続くと思われましたが、流れは一旦止まります。
理由は、どう考えてもコロナ禍でしょう。
値上げどころかリモート授業になった大学は学生から授業料の返還を求められる事態になりました。
とてもじゃないが値上げを言い出せる状況にはなかったわけです。
ようやくコロナ禍も落ち着き、大学の授業も正常化してきました。
正常化してきたところで値上げの流れが再び始まったようです。
値上げの流れ再び
東京農工大学が2024年4月入学からの授業料の値上げを発表しました。
こちらも上限いっぱいの64万2960円に値上げです。
首都圏にはまだいくつかの国立の単科大学があります。
これらがあとに続くことは間違いないでしょう。
首都圏の大学の値上げが一段落すれば、次は地方国立大学です。
国立大学の値上げが一巡すれば、次は私立大学です。
値上げはそこで止まりません。
現在が上限が20%と決められていますが、これが撤廃されればさらに値上げの循環は続きます。
私立大学のように学部ごとに授業料がまちまちになるかも知れません。
庶民はどうすべきか
我が家は子供が二人ともすでに社会人なので、値上げは関係がないといえば関係がありません。
でもこれから大学生になる子供がいた場合はどうすべきか。
東京大学か東京都立大学に行くことです。
東京大学は授業料の値上げをしていません。
さらに親の年収が約400万円以下なら授業料が全額免除です。
さらにすごいのが東京都立大学です。
世帯年収910万円以下で無償、910万円以上でも3人以上の扶養で半額になります。
さらには2025年4月からは、所得に関係なく完全無償化にする方針を既に発表しています。
東京はさらに都立の高専の無償化、高校の完全無償化も発表していて、まさに住むなら東京都の様相を呈しています。
ほんとうに小池百合子恐るべしです。
国立大学の授業料値上げを進める政策を進める国と無償化に舵を切る東京都。
どちらが正しいかは自明のことに思えますが、どうでしょうか。
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