10月の給与は社会保険料の改定あり
サラリーマンを長く続けていると、毎年10月の給与をもらったら厚生年金と健康保険の控除額がいくらに変わったのかを確認する癖が付きます。
4月からの昇給の状況、4月〜6月の残業次第ということも承知しているので大体は予測がついているものですが、実際に控除されて改めて一喜一憂するものです。
ちなみに私は2022年7月の退職時に同日得喪によって変更済みなので、10月給与で変更はありません。
2022年10月、雇用保険料引き上げ
今年はさらに雇用保険料の値上げが行われています。
これは、2022年3月30日に「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が国会で成立したことによるものです。
値上げの理由は、コロナ禍において大盤振る舞いした雇用助成金で積立金が枯渇したということのようです。
見事なまでの減り方です。
これだけ配ったのですから、これから取り返されるわけです。
それにしてもこれまで貯まった積立金をなぜうまく使わなかったのでしょうか。
積立金が枯渇してからリスキリングといってもしょうがないと思います。
雇用保険料の上げ幅は
10月から、本人負担分が3/1000から5/1000に、事業主負担分が8.5/1000に上がっています。
以前から比べると全体で4.5/1000の値上げです。
事業主負担分も実質的には労働者側が負担していると考えれば、30万円の給与で月に1,350円の負担増、1年で16,200円の負担増になります。
雇用保険料の今後は
問題は値上げが今回だけに留まるかです。
過去の雇用保険料の推移
年度 | 本人負担 | 事業主負担 | 全体 |
---|---|---|---|
2004年4月 | 7/1000 | 10.5/1000 | 17.5/1000 |
2005年4月 | 8/1000 | 11.5/1000 | 19.5/1000 |
2006年4月 | 8/1000 | 11.5/1000 | 19.5/1000 |
2007年4月 | 6/1000 | 9/1000 | 15/1000 |
2008年4月 | 6/1000 | 9/1000 | 15/1000 |
2009年4月 | 4/1000 | 7/1000 | 11/1000 |
2010年4月 | 6/1000 | 9.5/1000 | 15.5/1000 |
2011年4月 | 6/1000 | 9.5/1000 | 15.5/1000 |
2012年4月 | 5/1000 | 8.5/1000 | 13.5/1000 |
2013年4月 | 5/1000 | 8.5/1000 | 13.5/1000 |
2014年4月 | 5/1000 | 8.5/1000 | 13.5/1000 |
2015年4月 | 5/1000 | 8.5/1000 | 13.5/1000 |
2016年4月 | 4/1000 | 7/1000 | 11/1000 |
2017年4月 | 3/1000 | 6/1000 | 9/1000 |
2018年4月 | 3/1000 | 6/1000 | 9/1000 |
2019年4月 | 3/1000 | 6/1000 | 9/1000 |
2020年4月 | 3/1000 | 6/1000 | 9/1000 |
2021年4月 | 3/1000 | 6/1000 | 9/1000 |
2022年4月 | 3/1000 | 6.5/1000 | 9.5/1000 |
2022年10月 | 5/1000 | 8.5/1000 | 13.5/1000 |
過去の推移を見れば、ここ数年は歴史的に雇用保険の負担が軽かったことがわかります。
積立金が枯渇している現状やリスキリングを進める政策の実施のために今後も雇用保険料の値上げが続くと予想されます。
当面本人負担で8/1000、事業主負担分と合わせて19.5/1000まではあり得るのではないでしょうか。
30万円の給与で月5,850円の負担、厚生年金や健康保険に比べて絶対額は少ないですが、じわじわと効いてくるレベルになることを覚悟しておいたほうが良いかもしれません。
黙っていれば、まだまあ上がる?
雇用保険料は失業保険の原資であり、我々労働者のためには必要な保険制度です。
その維持のための保険料の値上げはあまり反対されることなく認められがちです。
しかし、問題はどう使われるかです。
しっかりと監視しないと今後も無駄に大盤振る舞いされることになります。
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