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選択性確定拠出年金はなぜユニクロ方式と呼ばれるのか

選択性確定拠出年金は法律用語?

一般的に「選択性確定拠出年金」と呼ばれている制度は、法律的に規定されている用語ではないと思われます。
したがって社会保障審議会など公の場では、

労使合意により給与等を減額した上で、当該減額部分を事業主掛金として拠出し企業型年金の個人別管理資産として積み立てるか、
給与等への上乗せで受取るかを従業員が選択する仕組み

という表現がされています。

なんともまどろっこしい表現です。
現在は「選択制確定拠出年金」という表現に統一されつつありますが、以前は「ユニクロ型確定拠出年金」という表現もよく見かけました。

なぜ「ユニクロ型」と呼ばれるのでしょうか。
これはユニクロを運営する株式会社ファーストリテイリングがこの仕組を最初に導入したからと言われます。
開始したのは2002年9月、相当先進的に始めたのがわかります。

日本版401K具体的導入企業の実例(ファーストリテイリング)?(2002.7.17)

しかし、開始に当たっては、確定拠出年金制度がこのユニクロ型を想定していなかったことが伺われ、『脱法』という指摘さえ見られる場合があります。

2002年06月30日付

しかし、その後このユニクロ方式は次第に広がり、選択制確定拠出年金制度という名称が与えられて現在に至っているわけです。
ちなみに本家のユニクロではこの制度を「ファーストリテイリング型401K」と呼称しているようです。

なぜユニクロ方式がここまで普及したのか

当初は想定すらされていなかったユニクロ方式がここまで普及したのはなぜでしょうか。
それは会社にとってはメリットしかないからだと思います。

会社にとってのメリットとしては、主に以下のとおりです。

  1. 会社負担なしに退職金制度を創設できる
  2. 会社が一部拠出する場合は全額損金計上できる
  3. 結果として、会社負担の社会保険料が下がる

従業員にとってはメリット・デメリット双方があり、特に若い社員はよく考えなければならない場合があるのに対し、会社にとってのデメリットは見当たりません。

特に3.の会社負担の社会保険料が下がる点は、中小企業のオーナー経営者にとって一番に響く部分です。
年金に関するコンサルがこの点を強調して売り込んだことが伺われ、その後多くの会社で採用されることになったと思われます。

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