選択制企業型確定拠出年金という名称
私の勤務する会社で採用されている企業年金は、一般的に選択制企業型確定拠出年金と呼ばれています。
この名称は法律等で規定されたものではなく、各所で使われて広まっている呼び名です。
この呼び名が一般的になる前は、ユニクロ方式と呼ばれることもよくありました。

選択制企業型確定拠出年金に代わる名称
最近この選択制企業型確定拠出年金という名称ではなく、別の呼び名が使われているのをしばしば目にするようになりました。
日経新聞やほかのシンクタンク、研究所などで使われ始めた名称です。
それが、給与減額型企業年金という名称です。
たしかに選択制よりも本質をついた名称ではありますが、随分とネガティブな印象を与えかねない呼び方です。
うがった見方ですが、選択制企業年金をこれ以上普及させたくない見えない力が働いているような気がします。
ことさらに選択制のデメリットを取り上げているようにも思えます。
選択制企業型確定拠出年金を包囲する制度改正
当局が選択制企業型確定拠出年金をよろしく思っていないことは明らかです。
いまだに公的な名称を与えていないし、公の場では、
労使合意により給与等を減額した上で、当該減額部分を事業主掛金として拠出し企業型年金の個人別管理資産として積み立てるか、
給与等への上乗せで受取るかを従業員が選択する仕組み
などというめんどくさい表現をしています。
iDeCoの拠出金額の増額、マッチング拠出における拠出金額制限の撤廃などで選択制企業型確定拠出年金のメリットを目立たなくする制度改正も行われています。
これらの制度改正により従業員の側には選択制に加入しなくてもよい可能性が生まれています。別の選択肢が生まれ始めています。
それでも選択制企業型確定拠出年金はなくならない
いくらメリットを打ち消すような制度改正を続けても、選択制企業型確定拠出年金はなくならないと私は考えています。
それは、選択制を採用することは、企業側にはメリットしかないからです。
たしかに、従業員の側にはメリットとデメリットがあり、メリットは少しづつ少なくなるように制度改正が進められています。
しかし、企業側の社会保険料が安くなるというメリットは不変です。
経営側の多くが社会保険料の負担を重く感じている限り、この負担が軽くなる制度の採用を止めることはないと思います。
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