DC100%への移行は進むのか
昨今、確定拠出年金への移行が進んでいることは間違いないのですが、
退職金制度を100%確定拠出年金に移行した例は少ないように思えます。
確定拠出年金を導入する以上、中途半端に他の制度と併用するよりも100%確定拠出年金にしたほうが会社側にとっても従業員側にとってもメリットのほうが大きように感じるのですが、なぜでしょうか。
私の勤務する会社でも、当初は100%確定拠出年金に移行すると会社から説明があったにもかかわらず、50%確定拠出年金・50%退職一時金という制度を一時的に採用するとなったまま、すでに数年が経過しています。
DC100%への移行の障害はなにか?
なぜ完全に確定拠出年金への移行が進まないのか、私はずばり懲戒解雇時の扱いの問題だと思っています。
多くの企業では、就業規則や退職金規定により、懲戒解雇の場合は退職金が支払われないようになっていると思います。
また、自己都合退社の場合は退職金が減額されるような規定も一般的です。
確定拠出年金の場合、こういった規定を設けることができなくなっています。
実際には懲戒解雇などはめったに起こらないはずなのですが、懲戒解雇時でも支払われると聞いた途端、オーナー経営者は激しく反応するようです。
実は、私の勤務する会社でもこの点が問題になって話が進まなくなりました。
確定拠出年金は強い権利
逆に言えば、確定拠出年金にはとても強い権利があるということです。
もちろん懲戒解雇に相当するような行為は認めらるわけではありませんが、会社が懲戒解雇を持ち出した場合でも減額されることなく、その権利は確実に守られるわけです。
また、他の年金制度と同様に自己破産時にも受給権が消滅することはありません。
確定給付年金から確定拠出年金に移行するという話題が出ると、労働者側に不利益になるような話に直結しがちです。
しかし、決してそのようなことはなく、むしろ有利な点が多いと思います。
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