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子供のいない夫婦の相続は大変、遺言状を書けば大丈夫とはならない

子供がいない夫婦は相続の場面になると残されたほうがいろいろと大変であると聞きます。
それを実感するようなことがありました。

叔母の死去

しばらく前に叔母が亡くなりました。
私の父の妹になります。
私の父は9人兄弟で(更に夭折した人が2人)、私の父が一番上、亡くなった叔母は下から二番目です。
叔母が亡くなったことで、父の兄弟で生きているのは一番下の叔父だけになりました。

叔母の相続

叔母には子供がいません。
当然ですが両親も亡くなっています。
したがって相続人は夫と叔母の兄弟ということになります。

兄弟も一人を除いて亡くなっているので、その子どもたちが(叔母から見れば甥・姪)が代襲相続人になります。
9人兄弟の子どもたちなので数が多いです。
数えてみたら存命の叔父を入れて12名いました。

叔母の遺言状

叔母が遺言状を用意しているであろうことは聞いていました。
おそらく内容はすべての財産を夫に相続させるというもの。

兄弟に遺留分は認められないので、遺言状があればすべての財産を夫に相続させることが可能です。
私の従兄弟達もおそらく叔母の遺産をもらいたいという人はいないはずです。(長年会っていない従兄弟もいるのでわかりませんが)

叔母の遺言状の執行

私はお葬式に出席しましたが、多くの従兄弟たちは出席していません。
そもそも普段行き来のない親戚にはコロナ禍もあって教えていないのかと思います。

数カ月後、叔母の夫から手紙が届きました。
差出人は叔母の夫ですが、内容は明らかに弁護士事務所で用意されたものです。
『近く、家庭裁判所から遺言状の検認についての案内が届くのでよろしく』というものです。

どうやら叔母が用意していた遺言状はいわゆる自筆証書遺言だった模様です。
自筆証書遺言の場合、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。
検認を申し立てるには、相続人全員の戸籍謄本等が必要になります。

自分を入れて13人分の戸籍謄本を用意するのは叔母の夫では大変だったでしょう。
おそらく連絡先も知らない人がいたはずです。
したがって一連の手続きを弁護士に委任したのだと思います。

正直なところ叔母の相続財産がいくらあったのかはわかりませんが、手続きの手間、弁護士費用等々、なかなか大変だったのではないでしょうか。
近々検認が行われますが(私は出席しません)、不動産の名義変更や預金の手続きなどはそれ以降になるのでしょう。

相続を手続きは誰にとっても大変なこととはいえ、子供のいない叔母の夫が自ら行うのは本当に大変そうですし、時間も掛かりそうです。

公正証書遺言だったら

遺言状があれば相続自体は自分の考えたようにできますが、実際の手続きの手間を考えると、叔母の場合は公正証書遺言にしておけばよかったのではと思います。

確かに公正証書遺言は作成に手間と費用がかかりますが、いざ執行に当たっては迅速にかつ他の相続人に連絡することもなく実行できます。
費用も結局そのほうが安かった可能性もあります。

子供のいない夫婦で高齢になり、兄弟の子どもたちとも疎遠になっているようなら、夫婦間の相続手続きについてもう一度検討した方が良いのかもしれません。
遺言状があれば大丈夫ではなく、その執行がやりやすいようにしておくべきだとつくづく感じました。

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