母のくも膜下出血
今から十数年前、私の母はくも膜出血を発症し救急搬送されました。
発症した時、母は一人で自宅にいました。
突然、強烈な頭の痛みに襲われ、携帯電話で私に連絡してきました。
時刻は夕方の6時前、私は仕事中でした。
電話は一度切れ、こちらからかけ直してもう一度切れ、再度かけ直して話ができました。
「頭が痛い」「吐き気がする」という訴えを聞いて、すぐにくも膜下出血を疑いました。
私が指示したのは自分で119番に電話することです。
私の勤務先は仙台市外にあり、ここから119番しても仙台の消防には繋がらないことを承知していたからです。
ところが母は「できない」といいます。
実際のところ、私に電話できたのは携帯電話のワンタッチキーに私の電話番号が登録されていたからで、自分で119番に電話をする余裕はとてもなかったようです。
離れたところにある消防署への連絡は?
母の状況が相当に切迫していることを理解した私は、母に「こちらで救急車を呼ぶ」ことを伝えて電話を一旦切りました。
電話を切った後、どうやって救急車を呼べばいいのか考えました。
当然ですが、単に119番に電話をすれば最寄りの消防署に繋がります。
仙台市の消防に電話するにはどうすればよいのか。
最初に考えたのが市外局番+119番にかけることです。
かけてみましたが、繋がりません。
時間がない中で他の方法は思いつかず、単純に119番に電話をしました。
最寄りの消防署に電話が繋がった後、仙台市内の母からのSOSで救急車を呼びたい旨を話ししました。
するとオペーレーターの方は事情をすぐに理解してくれて、仙台市の消防にそのままで電話を転送してくれました。
電話が仙台市の消防に繋がった後は、通常の119番と同じ手順で実家の母のもとに救急車を手配頂きました。
お陰で一命を取り留め、その後十数年経過した今でも生きていられるわけです。
離れたところに住む親のもとに救急車を呼ぶには
宮城県の場合、当時でも県内の消防には転送するシステムが構築されていたようです。
携帯電話からの場合、隣接した市町村の消防に繋がってしまうこともあるからでしょう。
残念ながら市外局番+119番で地元の救急につながるようなシステムは現時点でも実現できていないようです。
これに着目した国会議員はいるようで、問題提起はされているようですが。
仮に実現したとしても、市外局番では消防の管轄エリアよりも広いのでもう一度管轄の消防署への転送が必要になりますね。
市町村コードなどをうまく使えれば良いかも知れません。
同じ県内や隣接県なら消防同士の連絡手段があるかも知れませんが、さすがに遠く離れた市町村の消防の連絡先をすべて把握しているとは思えません。
自分の親の住む市町村の消防署の一般電話の電話番号を自分で把握しておくのが良いと思います。
その番号が24時間対応であればなお良しです。
くも膜下出血のような緊急かつ重篤な症状の場合、たとえ隣に寝ていたとしても対応が遅れれば命を救えません。
一方で地球の裏側にいたとしてもSOSを受けて適切に連絡ができれば救急車を呼ぶことができます。
離れたところで親が一人暮らしをしている場合など、緊急の連絡が入った場合の対応を考えておく必要があると思います。
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