スポンサーリンク

電気料金、燃料費調整制度における上限価格の廃止の影響は想像以上に大きい

電気料金の上昇

電気料金が上がっています。
住んでいる場所や契約条件にもよりますが、このところ毎月上がっています。
夏の間は冷房需要で電気代が上がって当たり前と思っているので実感が少ないですが、電気料金の単価は今年に入り上がり続けてきました。

電気料金はおおよそ以下のような計算式で算出されます。

電気料金=基本料金+電気料金単価✕使用量±燃料費調整額+再生エネルギー賦課金

この中で上がっているのは、燃料費調整額です。

燃料費調整額とは

燃料費調整額とは、燃料費調整単価✕電気使用量で計算されます。
燃料費調整単価は過去3ヶ月の平均燃料単価を元に設定されますが、これまでは上限価格が決められていて、一定以上には上がらない仕組みになっていました。

それが2022年6月あたりから各電力会社において、この平均燃料単価が上限に張り付くようになっており、電力各社の経営が非常に苦しいものになってきていました。
このため電力各社は自由料金の各プランにおいて、相次いでこの上限価格の設定を廃止する決定を行っています。

撤廃する理由は、「電力の安定供給の継続に支障をきたしかねない状況にある」というもの。
我々庶民には抵抗する手段がありません。

燃料費調整単価の推移

私が契約している東北電力の場合の調整単価と月間使用量が300kWhの場合の価格上昇額です。

【単位】
円/kWh(税込)
2022年
5月分
2022年
6月分
2022年
7月分
2022年
8月分
2022年
9月分
2022年
10月分
2022年
11月
2022年
12月
2023年
1月
上限あり3.363.473.473.473.473.473.47上限なし上限なし
上限なし3.363.604.665.867.679.4610.98
0.000.131.192.394.205.997.51上限撤廃上限撤廃
300kWh時
調整額 上限あり
1,008円1,041円1,041円1,041円1,041円1,041円1,041円
300kWh時
調整額 上限なし
1,008円1,080円1,398円1,758円2,301円2,838円3,294円

こうしてみると2022年6月の段階ですでに上限価格を超えています。
その後も調整単価の上昇は止まらず、直近では1kWhあたりの本来の調整単価が10円を超えています。
にもかかわらず、上限価格が設定されているため3.47円しか請求できていないわけです。
電力会社に同情する気はありませんが、上限価格を撤廃したくなるのは理解できます。

上限価格撤廃の影響

現時点でも電気料金は1,000円/月程度、昨年に比べて高くなっています。
上限価格が撤廃され、11月の単価水準が一年間継続すると仮定すると、年間の電気料金は4万円近く増加することになります。

しかも上限価格が撤廃される以上、この水準で上昇が止まる保証もありません。
原油価格は一段落していますが、円安は今以上に進む可能性もあります。

上限価格が撤廃されて電気料金が実際に上がるのは11月検針分、12月支払い分からですが、今から対策しないと大変なことになりそうです。
政府では電力会社に補助金を入れて料金を抑制する案などが検討されているようですが、単価の上昇幅がこれだけ大きいのであれば、補助金を入れても相当な値上げは避けられないと思います。

電気料金の高騰にどう立ち向かうか、対策を検討
電気料金の高騰は避けられない 今後、電気料金の高騰が避けられない状況になってきました。 未だに「円安は日本経済にとってプラスだ」というのが政府・日銀の公式な見解ですから、状況が改善する見通しはないです。 少々の値上がりであれば耐え忍ぶという...

 

コメント