銀行の年末営業
今から30数年前、私が社会人になった頃は銀行は12月31日まで営業していました。
完全週休2日であることを就職の条件にしていた私はそれだけでも銀行を就職先のリストから除外したものです。
更に時代を遡れば、私が子供の頃は銀行は大晦日は夜中までやっていたものです。
私の実家の近所の銀行の支店では、私達が紅白歌合戦を見終わり、元朝参りに行こうと外に出ると、ちょうど仕事を終えた銀行の人が通用門から出てくるという感じでした。
あれを見て、なんて大変な仕事だと子供心に思ったものです。
その後、1993年の年末から12月31日は休業日となりました。
理由は、取引先である企業も休むようになった、従業員の生活向上のために組合からの要求があったためとされています。
当時の記憶は曖昧ですが、特別大きなニュースにもならなかったし、それによる混乱もなかったと思います。
当時私は、『来年には30日が休みになって、再来年には29日が休みになるんだろな』と勝手に思っていました。
なぜ、12月29日、30日は休みにならないのか
12月31日が休みになってすでに30年が経過、なぜ12月29日、30日は休みにならないのでしょうか。
理由は銀行法で決まっているから、ということになります。
銀行は、法律上、①日曜日、②祝日、③12月31日から1月3日、④土曜日以外は、営業をしなければならないのです。(これら休みの日に銀行の判断で営業することは自由です)
もし、12月29日と30日を休みにするのであれば法律を変える必要があります。(正確には法律そのものではなく、銀行法施行令を変える)
これだけ労働時間の短縮が叫ばれている中で、銀行の年末営業日が話題にすら登らないのは不思議です。
銀行の人が社会であまり好かれていないのが原因でしょうか。
理由として考えられるのは、
一定の窓口需要がある
年末年始の銀行窓口で子供や孫に連れられた高齢者の姿をよく見ます。
事務手続きをこの時期に行う人が意外に多いように感じます。
そのほか子供や孫へのお年玉のために新券に交換に来ている人も未だにいます。
そんな感じで意外なほど窓口が混んでいます。
最大で9日間連続で窓口が閉まる可能性がある
月末に長期間窓口が閉まることは5月の連休でもよくあることです。
しかし、29日、30日を休みにすると、最大で12月27日から1月4日まで、または12月28日から1月5日まで9日間連続で窓口が閉まる可能性が生じます。
さすがに9日間連続で銀行が休むとなると、決済上の支障が発生するという意見も多くなるでしょう。
今後12月29日、30日が休みになることはあるのか
労働時間の短縮は止められない流れなので、いつか銀行の年末営業も課題に上がるときが来ると予想されます。
現状で銀行が営業しているから休めないという実態もあるので、銀行が休めばより幅広く休みが広がる可能性もあります。
一定の窓口需要に対しては、予約制などで対応することは可能ですし、決済についても銀行休業日でも振込確認ができる方向に進んでいます。
ネットで行えることも増えており、ATMの混雑さえ少なくなってきています。
それほど遠くない将来、銀行の年末の休日化は進んで行くであろうと思っています。
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