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老人ホームの運営状況報告を読みながら考える、老人ホーム入居は誰のためか

老人ホームの運営懇談会

母が入居する老人ホームの運営懇親会が開かれました。
昨年は初めてということもあり出席しましたが、今年は欠席して議事録を受け取っただけです。

老人ホームの運営懇談会に参加、皆さん求める水準が高すぎでは
老人ホームの運営懇談会 母が入居している老人ホームの運営懇談会に参加してきました。 老人ホームの運営懇談会とは、各自治体が定める「有料老人ホーム設置運営指導指針」に設置が定義された機関です。 ホームの職員、入居者や家族等の代表が一堂に会し、...

運営懇親会の内容

当日の議事の内容は、昨年同様です。

  1. 経営母体の経営状況
  2. 入居者の状況
  3. 職員の状況
  4. サービスの状況
  5. 事故の発生の報告、対策
  6. 入居者・家族へのアンケートの結果報告

経営の状況

光熱費高、物価高等で老人ホームの運営も大変そうですが、きちんと利益が出ているようです。

この運営会社はこれまで欧米系のファンドが所有していたのですが、昨年アジア系の別のファンドが買収しました。
介護業界の温和なイメージとは裏腹な資本主義の最前線ですが、実は介護業界はM&Aが盛んな業界です。
買う人がいるということは、事業としての将来性があるということですから、突然に事業をやめてしまうようなことはないと思います。

入居者の状況

老人ホームは意外にも人の出入りが多いものです。
一年間で2割から3割くらいの入居者が入れ替わっています。

この内半分は亡くなった方。
残りは長期入院の方、自宅に戻られた方、特別養護老人ホームなど別の施設に移られた方がいます。

要介護度が3未満の場合、特別養護老人ホームには原則入居できません。
そのためこの老人ホームにとりあえず入居して、要介護度が3に進むと特別養護老人ホームに移られる方が一定数います。
特別養護老人ホームのほうが費用が安く済むためだと思われます。

質疑応答にて

昨年同様、質疑応答で出る意見はほとんどが食事に関するものです。
中でも味が薄いというのが入居者の総意のようです。
これに対する食事サービスの責任者の回答がなかなかです。
毎回のことなのでいい加減にしてくれという感じなのでしょう。

「食事の味付けは栄養士が決めており、変更できません。ただし、味が物足りない場合はご自分の調味料を準備して、好きな味付けに変更していただいて構いません。お醤油、ソースなど好きなだけかけてくださって大丈夫です。」

入居者のもう一つの希望がもっと自由に行動させて欲しいというものです。
とはいっても、母の入居する老人ホームはだいぶ自由です。
外出や外泊も問題ないですし、外部の介護サービスの利用も可能です。

実は外出に制限をかけているのは家族の意向です。
そもそも老人ホームに入居することになった理由が、自由に生活するのが難しくなったからなのですから。
自由な生活が可能なら、そもそも入居せずに自宅での暮らしを続けていたはずです。

老人ホームに入居するということ

どれだけ高級な老人ホームといえども、自宅での暮らしに比べれば自由は制限されます。
費用も自宅暮らしよりかさみます。
にもかからず、なぜ老人ホームに入居するのか。

私は本人の自由が制限される代わりに、家族が安心と自由を獲得するためだと思っています。
それが真実なので、母が入居する際にもその旨を母に話をしました。

自宅で転んでいないか、熱中症で倒れていないか、そんな心配をこれ以上したくない。
幸いにも自分の財産の範囲内で老人ホームに入居できる状況にある。
ならば、私と姉に安心を提供して欲しい。

そんなふうに説得したのですが、母はこれを理解してくれました。
100%納得しているかは疑問です。
本人も本音では自宅に帰りたいのでしょう。
少々のわがままは理解してあげたいと思います。

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